「カラマーゾフの兄弟」読了 2014/02/14 15:50

全5巻2555ページは長かったよ。
読んでみて思ったのは、現代の小説とは文法からして違う、ということ。
作者が書きたいことも違うしね。だから、小説の黄金期だといわれる19世紀ロシア文学もその時代を研究して知ってこそ面白いんだよね。研究者が面白い小説だ、というのもそういうことだよね。
21世紀の一般読者が面白いかどうかは個人の趣向によると思う。退屈だといってもちっとも悪くはない。
だから個人的な読後感としては「長いよ」「宗教論には興味が湧かないよ」「人物が象徴するものが今では分かりにくいよ」と思うのですよ。
第四部の裁判編は面白く一気に読めたけど、第三部まではちょっと辛かった。いったい殺人までどんだけ引っ張るんだと思った(第三巻の後半でやっと父ヒョードルが殺されます)。第五巻の解説でやっと分かったことも多かった。イワン(真)アレクセイ(善)ドミトリー(美)という象徴も解説で知ってほーっ? とか。じゃあイワンが裏の主人公なのか? そしてイワンのダークサイドがスメルジャコフ? ってもう遅いよ。もう読み返すか分かんないし。
全部読み終わって達成感というより肩の荷が降りた感はありましたけどね。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)