雨宮処凛の闘争ダイアリー
- 作者: 雨宮処凛
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/05/02
- メディア: 単行本
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この分野の知識がほぼ皆無だった私をぶん殴ってくれた本。
図書館でふと手に取った本でこんなに楽しませてもらえるとは。面白い。
内容は貧困についてだ。文字通りの貧困。フリーターと派遣会社。格差社会について。
僕のイメージは「フリーター=何らかの理由で定職につかない人」だった訳だが、その何らかの理由が問題なことになぜ気づかなかったんだろう?
バブル崩壊と「失われた10年」とあとからいわれる時代、就職難(いやホントは企業の採用控えというべきだ)と法的な派遣労働の解禁で「不定期な職につくしかなかった人たち」がいま30代になり貧困に出口が見えない状況に。
これが自己責任か?
派遣会社の搾取(グッドウィルとフルキャストみれば一目瞭然)のひどい状況。新聞報道なんてほんの一部をのせただけ。この本を読むと寒気がする。
国はいま生活保護を抑制しようとしているが、その生活保護以下の賃金で働いている人たちのことをどう思っているのか。(いるんだよ、そんな人たちが。しかもけっして少数じゃない!)
餓死(そう、この日本で餓死する人がいる!)をどう考えているのか。
そうそう再チャレンジ対策とやらのお金は必要とする人たちにちっとも行って無いんだよ。制度自体を作るのに使われて関係の無い人たちを潤しているだけ。
自分の歩いているすぐ横に底なし沼があったことに今更気づいた気分です。これから関連書も読んでいこうと思う。
表紙はこんなですが一読をお勧めします。