1行感想

バルテュスの優雅な生活 (とんぼの本)
バルテュスの優雅な生活」
うん、優雅な生活ですねぇ。堪能させて頂きました。
お気に入りの一節(2つ)
>絵を描くことは職人技なのだ。皆、そのことを忘れている。
芸術家になろうなんて嫌悪すべきことだ。
わたしは自分のことを芸術家ではなく、職人としての絵描きだと思っている。
>時折鏡を手にして、描いている絵をじっと見ておりました。
絵というのは描いているうちに欠陥が見えにくくなる。画家にすれば自分がこう描きたいと望む方向があってそれに引きずられて制作中の絵を見てしまう。ところが鏡を使うと自分の絵を左右反対にいわば新鮮な目で見られる。絵の欠陥もよくわかるというのです。
鏡を使って絵と対話していたのでしょう。絵の中には沈められ秘められた何かがあると考えそれを出現させるべく新たに筆を加えていくようでした。