一行感想「不機嫌な果実」林真理子

不機嫌な果実 (文春文庫)

不機嫌な果実 (文春文庫)

えー昔のベストセラーでしたっけ。不倫小説で。
9月6日に紹介した「新人賞は〜」に例として載ってたので読んでみました。
キーになる言葉は「私はものすごく損しているんじゃないだろうか」ですね。
結婚したので恋ができなくて損してる。美味しいものが食べられなくて損してる。おばさんに見られる年じゃないのよ損してる。
主人公は、そんなことばかりいってる。
あとベストセラーの要因としては結局、主人公がアホで離婚して再婚しても幸せになれず、読み手の優越感と安心感「ほら、やっぱり不倫してもダメよ」みたいなところをくすぐるとこですかね。
そこらへん上手い小説ですなあ。最後の誰の子どもでもいい妊娠してやるってオチは作り過ぎかなと思ったけど。
なかなか興味深い小説でした。