原寸美術館〜画家の手もとに迫る

原寸美術館 画家の手もとに迫る
もし僕がダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を見たいと思ったらイタリアのミラノまで行かなきゃならない。
でも世の中には画集を言う便利なモノがあって、おうちで絵を見ることが出来る。けれどそれは当然「本のサイズ」に合わせて絵が載っているので、やっぱり本物とは違う。
この本はそこを最新最高の印刷技術で原寸大で表現しようという本。もちろん一部だけど。
原寸大にするとまさに画家が描いていたその大きさ、画家のタッチまでわかる。
そうかこんな風に描いてあるんだぁ、目からウロコ。
僕の大好きなワイエスの「クリスティーナの世界」は原寸で見ると超細密に描かれていてもうびっくり、虫メガネ使って描いたんじゃか、ぐらいスゴイ。
MOMAにある現物をもう一度(アメリカに行ってでも)見たくなったよ。
実はこの絵の現物を僕は子供の頃展覧会で見たことがある。
でも展覧会場は絵の状態保存のために照明を落としてあったり見物人と絵の間に柵があったり必ずしも画家の描いた状態そのままを見られるとは限らない。
だからこの本で初めて画家の描いたタッチに迫れる絵も多いんじゃないだろうか。
ボッティチェリの線描写はすごい上手いなぁ。フェルメールの不思議な空間は原寸でよりリアルに。ミケランジェロの有名なシスティーナ礼拝堂壁画は輪郭きっちりで劇画タッチだし。ボスの怪物を描く手の走っていること、これは改めてびっくりした。
他にも掲載されている有名作品多数あり。


絵が好きな人はぜひ見てみることをお薦めしたい。少々お値段が高い本だがその価値はある。資料的価値が高いから大抵の図書館は蔵書してると思うので借りるという手もあるよ。(僕も吹田市立図書館で借りたんだけどね)