お義父さんの散骨に 2012/05/05 07:28

■小さな飛行機に乗って
お義父さんの故郷は福島なんですよ。
伊丹から福島空港までひとっとび。飛行機は50人乗りのバスぐらいの大きさでこんな小さい飛行機には乗ったことがないのでビビる。搭乗口から飛行機までバスで移動。タラップを上がって乗り込む(これが好き!)子鬼はぱちぱち写真を撮りまくってました。
中も狭い。通路を挟んで2×2の座席はやっぱりバスみたい。これが全速力で加速して離陸するのは一生懸命って感じです。テレビモニターもないのでCAさんが緊急時の酸素マスク、救命胴着の説明を恥ずかしそうに生でしてくれます。これ、いいです。
雲の上を順調に飛行。私は思い入れがないのですが富士山が見えることにお義母さんはこだわる、少し見えたみたいです。
福島までは1時間。すぐ着陸です。おおおおって感じで迫力満点です。窓から地面までは近いし。こうして福島に到着。雨です。
■福島は雨だった
福島空港は小さな空港です。福島の有名な人、野口英世、円谷英一。
空港には知らないウルトラマンがたっています。たぶん平成のウルトラマンだと思われる。思わずパチリ。レンタカーで出発します。
福島は日本で3番目に大きい都道府県。縦割りに大きく海側の浜通り中通り、山側の会津となります。お父さんの故郷は会津
郡山駅で東京から来たお義姉さんを拾って磐越自動車道に乗る。約2時間で会津若松に。雨です。
会津で散骨する
お義父さんのお姉さん、お義母さんの姪の方と昼食。思い出話、震災の後に風評被害会津の農家は大変なこと。こちらの人が我慢強いと思う。大阪人ならすぐ「あ、痛」というところをじっと我慢する。この人たちの悲鳴はすぐ聞いてあげなければいけない、そうだろう? 雨の中お義父さんの先祖代々の墓に参る。木々の中のひっそりした墓。ただお父さんは末っ子なのでここには入らないのだけれど。ちょうどよく雨がやんだ。木々の青いしっとりと空気の中、そっと散骨した。
次にお義父さんの実家があった場所に行く、今は小さな公園になっている。木の根本に少し、近くの川に少し散骨する。いずれも粉末状にしたもの(オブラートに包んでいるのがお義母さん、かわいい)。これで儀式は終了である。
■喜多方へラーメンを食べる。
簡単に。お義母さんの故郷は喜多方。お義母さんも末っ子で本家に寄ることに。
ああ、ここは奥さんのおばあちゃんの家だったんだなあ、と郷愁に浸る。目の前の公園はこんなに小さかったかなあ、とか話す奥さんに、はい建て替えられてましたよ。
近くで喜多方ラーメンをごちそうになる。お義母さんとお義姉さんによれば、まるでダメだそうですが私には美味しい。これも郷愁なのか、私の舌がダメ舌か。とにかく喜多方の水は水道水でもミネラルウォーター。
裏磐梯五色沼
雨の中、裏磐梯高原ホテルに到着。ホテルの庭がすぐ湖と森。趣あり、宿泊料も高そう。いいのか、俺はこんなところに泊まって。今回お義母さんはわざわざロッジを取ってくれたのである。子鬼がロッジ好き、と誤解されたためだ。そんなんどこでもいいけど有難い。
で、ロッジ、大雨、近くまで湖の水がきてる浸水するんじゃないだろうかと心配になるほど。横の小川はさらさらではなくどっしゃーと流れている。この水量は何だ。
ロッジから10メートルほどのホテルに移動するのさえ叩きつけるような雨を避けるため車で移動である。ざーざーいう雨の音を聞きながら不安のロッジ。で、食事のためまた車で移動。
食事ですが普通に高そうな料亭の料理なのでびびる。もちろん美味しいです。また車で帰る。早々に寝る。1日目終了。
■猪苗代に出る。2日目
お義姉さんとはここでお別れ。仕事があるそうで大変だなあ。
私たちは子鬼の希望で猪苗代の野口英世記念館に。野口英世という人は福岡伸一が「生物と無生物の間に」で書いているが現在では業績の殆どがまったく評価されていないらしい。お義母さんによれば地元福島でもあまり良い評判はないのだそうだ。じゃあ観光資源? 
展示してある野口英世のお母さんの手紙は泣ける。だって借金取りが催促にきて困る、と書いてあるんだもの。(そのころ野口はアメリカにいた)
雨の日に行くのは最適な場所なので家族連れでかなり混んでいましたよ。それにしても寒い。早々と退散。次に洋館天鏡閣に行く。高台から猪苗代湖を展望できるのが素敵。中ももちろん豪華。震災で壁に亀裂が入ったりガラスが割れたりしたのになかなか直せないんだそうだ、雪が降る間は修理が無理なので。
お昼は蕎麦にしようか、ということでガイドを見て蕎麦屋に。うーん、手打ちなのは確かだが、がんばっているのも確かだがきれいすぎる蕎麦で香りが少なくいまいち。
五色沼
ここらへんからだんだん天気が回復して晴れてきました。
で、お義母さんのおすすめで五色沼散策。確かに天気は良くなりました。駐車場にも車多数。でも散策路はまだじゅるじゅるのぬかるみ状態、泥跳ね上げまくり。革靴の私は靴どろどろズボンも跳ねた泥の水玉模様。なんかしおしお気持ち↓状態で途中で引き返す。綺麗なのはわかった、よくわかったからとにかく道が悪いんだ。お義母さんは元気でずんずん歩かれたのだが(よかった)あとでキたみたいです。
■諸橋美術館に行く。
なぜ行くのか。そこに美術館があるから。
美術館の建物がやたら立派。美術館がすでに展示品。ダリの彫刻が常設の目玉の美術館。ダリのあの絵を立体化するとこんなに面白いのか。ダリはあまり好きじゃないけど予想外に楽しめた。
1枚サイバーパンクっぽいSFな絵があった。あれはほしかった。
■福島最後の夜
部屋を本館に変えてもらった。やっほー、これでロッジから車で行き来せずに済む。夕食は晩餐と呼びたい食事。地ビールも飲んだりして。露天風呂から磐梯山が見える。会津の人たちは磐梯山に深い思い入れがあるのがわかったここは山に囲まれた土地。
昼間の疲れで沈むように寝る。


帰りの飛行機も同じ、大阪南部から大阪市に進入する着陸ルートだったので大阪市内のあれがスカイビルやーとか楽しめてお得だったです。


お義母さん、今回は本当に有り難うございました。福島また来たいです。