北谷

まるで六〇年代のようなアメリカンなネオンサインは午後三時にはまだ点いていない。空は青く、高い。アクリル絵の具のような景色。
店のシートの色は赤のビニール。コカコーラの赤だ。ひとつ向こうの席ではドレッドヘアのアフリカ系の男はワンプレートの飯を食べている。がつがつ食う男の前には一〇代の小柄なこれも黒い肌の美少女が居た。鼻筋が通って目がぱっちりの綺麗な顔をしている。横顔が魅力的だ。親子?か恋人か思いをめぐらした。
天井の大きな扇風機がゆっくり空気をかきまわす。