三題話:布団、みの虫、吊り

子鬼が布団に丸まってごろごろしていた。
まるでみの虫やな。ん?
「子鬼みの虫って知ってるか?」
「知らん」
そうか、みの虫知らんか。実家の通りには昔桜の木がいっぱいあってみの虫がよく垂れ下がっていたものだった。
不思議なものがあるんだなぁ、と遊んだものだった。
吊りの人形劇を見たときこれはぜったいみの虫から発想したんだ、と思った。
子鬼にそんなことを話してもみの虫を知らないんじゃ、何にも感じないだろう。
ちょっと寂しいなぁ。